宝石あれこれ・・

繊細なジュエリーの管理とお店の事情

一般にジュエリーというモノは繊細なモノだと言われています。事実その通りで、店頭に
展示するときに非常に注意を要する事もあります。今回は一般宝石店などでの宝石の
管理を通して、大切なジュエリーの管理とお店の実情の話しをしたいとおもいます。

ジュエリーのお店の一般的な感じってどんな感じを想像するでしょうか?
たくさんのライト、黒い(最近は白・ピンクなども多いですね)内装、ディスプレイに様々なジュエリーが
並べられ、ディスプレイの脇にはきれいなグラスにお水とビーズ、またはお花が
生けてあったり・・・・そんな感じでしょうか。

水分率の高いオパールやエメラルドなどを店頭に展示するとき、大きなカラットや
希少価値のある石などを施した宝石などはグラスの水が欠かせません。
店頭ではたくさんのライトがあり、常に冷暖房を完備していることから、
それらの石の水分が奪われてしまうとヒビが入ってしまう原因になります。

よくショーウィンドウの隅にきれいなグラスでお花が生けてあったり、お水が
入っているのはその為なのです。
事実、ヒビが入ってしまった場合などグラスの中に水を満たして浸しておくとヒビは
ずいぶん目立たなくなります。
またそれはインクルージョン(石に入っている亀裂や
不純物などをこういいます。ここでは主に亀裂)が多く入っている石をごまかす為に
使われる場合もあります。

ウチの店で一度お客様がインクルージョンの目立つエメラルドを持ってこられた時
がありました。お客様の話では購入したときはきれいな緑色だったのに色が薄くなって
なんだかヒビが増えているような気がする、日光かなにかのせいだろうか・・との事でした。
(ちなみにウチの店じゃあありませんよ)基本的に余程の日光に当たらない限り石が
劣化すると言うことはありません。色も落ちません。

主任は油性マジックの緑のインキを買ってきて浸していました。するとしばらくすると
キズだらけでぼけた色のエメラルドはあっという間にきれ〜〜〜〜〜な緑色に(笑)
そう、緑のインキが亀裂の間に入り、ごまかしていたんですね。お客様は水仕事を
するときにもこの指輪をつけていたらしく、それによって色が抜けたのでした。

鬼穏の余談・・
ちなみに某師匠は機械油をチョイチョイとやってました


また購入時のお店のライトにも要注意です。ジュエリーのお店にはたくさんのライトが
あり、またそのライトはハロゲンライトと言ってとても光量の強いライトです。それで
直接宝石を照らしているのでインクルージョンや色みなどは分かりにくいのです。

もちろんお店はよく言えばきれいに見えるように、悪く言えばごまかす為にそれを
ほどこしています。あまりないのですが、窓があったりする店では自然光のある場所まで
移動して確認する事をお薦めします。(多分店員は嫌がりますが)
その時は店員にひとこと「外のひかりで見てみたい」
「外ではどんな風に見えるか見たい」等、声をかけてくださいね。でないと取り押さえられます(笑)

前述のお客様もこのライトでごまかされた様でした。ジュエリーなどは
外で着ける事がほとんどだと思いますのでで洋服と同じように着けるシチュエーションを想定して
見ることも大事です。

お店の内装、店員の言動などは確実な理由を元に成り立っています。(中にはそうでも
ないところもありますが・・)最近では「エンハンスメント」といってある程度の化粧施しが
認められています。主にサファイアに加熱を施し色味を良くしたり、エメラルドを無色のオイル
に含浸したりです。上記のようなことは「トリートメント(処理石)」の部類に入りますね。

購入される時は事前に調べることと、やはり信用のあるお店で買うのが一番ではないでしょうか。
あとおかしい!と感じた時は
どんどんお店に言ってみる事も大事です。なんたって高い買い物でもありますし、きちんとした
お店というのはしっかり対応でき、また店員も知識を持っているはずです。逆にそこでお店の
真価が問われるのかも知れません。

ということで、いかがでしたでしょうか?参考になりましたでしょうか?
本来はもっとおもしろおかしくということでこんなお客様が・・みたいなことを
希望していたのですが、思っていたことと違う内容のものが出来上がっていました。

ということで、ちょっとした鬼穏からのおまけです。
職人の失敗談・・
個人的な失敗としては大きなものはありませんが、メレーダイヤを数回焼いてしまったことがあります。
修理上どうしても石の付いたままやらなければいけないものがあり〔小さいダイヤ限定です。〕
温度が上がりすぎて白くなってしまったということです。
以前に何かの漫画で豪華なダイヤのネックレスにライターで火を付けて燃やしてましたが
あれには???でした。

あとは石留めをしててトルマリンが欠けてしまったぐらいでしょうか・・。
3番目の師匠はリング用に穴開けしてた真珠の10mm玉を貫通させてしまったことがあります。
先輩からわりと大きめのサファイアのリングをサイズ直してておしりを欠けさせてしまったというのを
聞いたことがあります。

そういえば、加工をしていたことがあるという営業の人がお客様預かりの珊瑚のリングを
焼いて黒く?(焼け焦げて)してしまったことがあるそうです。
加工をやったことがあるというのとやっているというのでは全然違うんですけどね。
あと
できるというのとできると思うというのも違います。

お客様より・・
これは販売員から聞いた話ですので本当かどうか・・。
まあ、お客様エピソードは多々あると思いますがちょっとだけ紹介させて頂きます。
繊細な作りのアンティーク調のリングを着けたまま畑仕事で鍬〔クワ〕を握ってたら
曲がってしまったというお客様や、同じ曲がるということであきらかに踏みつぶしたと思われるようなリングを
持ち込まれ窓際に置いていたら太陽の熱でまがってしまったからどうにかしてくれと
言ってこられた方がおられたそうです。

太陽の熱ぐらいではそのようにはなりませんと言ったそうなのですが
断固として聞き入れてなかったそうです。

まあ、売る側にも買う側にもいろいろとあるということです。

最後に・・※
途中、エメラルドにインクをどうとか油をどうとかとありましたが、
もし同じようなことをされる方は、鬼穏では一切の責任を負いませんので
そちら様の自己責任のもとにお願い致します。




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